AI と栄養士

2013年、英オックスフォード大学でAIなどの研究を行うマイケル・A・オズボーン准教授がある論文を発表したそうです。

 

「THE FUTURE OF EMPLOYMENT: HOW SUSCEPTIBLE ARE JOBS TO COMPUTERISATION? 雇用の未来−コンピューター化 によって仕事は失われるのか?」

 

この中で主に生き残れる職種として挙げられているのは、ビジネスマネジメントやファイナンシャルマネジメント、エンジニアリング、サ イエンティスト、教育・法律・コミュニティサービス、芸術やメディア関係、ヘルスケア関係職種、サービス業などのヒューマンサービス。

中でも、管理栄養士・栄養士は生き残れるランキングが702の職種のうち、なんと11位!


どんなに栄養バランスが保たれていても、どんなに素晴らしく食事が設計されていても、食べる側が望むものでなければ意味がない、だからこそ機械化しにくいのではないか、と推察されていました。

 

 

実際栄養士の仕事は保健所、学校、事業所など職場によってだいぶ内容が異なりますが、ほとんどの場合、数字を扱うことは避けられません。

また給食の現場などになると、現場の温度や湿度、次亜塩素酸濃度、食材の加熱温度、栄養価など、本当にきめ細かい数値管理が必要になります。

 

そういった意味では正直、栄養士の仕事は機械化できる部分がたくさんあると思うし、そういった部分を機械化することで、適切で継続的な衛生管理の維持ができたり、データを論文に活用し、新たな管理手法の確立につなげる事ができると思います。

 

しかし先ほど述べられていたように、どんなに栄養バランスが保たれていても、どんなに素晴らしく食事が設計されていても、食べる側が望むものでなければ意味がない。

だからこそ、そこに栄養士の価値があるように思います。

 

 

栄養バランスだけなら錠剤で完璧に補うことができるだろうし、嗜好を考えなければ調理の技術なんていらない。

健康のためだけに食事をとるなら、季節感や彩りなんかも必要ない。

 

しかし「食」に“栄養”以外の価値があると感じている人がいるからこそ、「食事を楽しむ」という言葉があるのだと思います。

 

 

私はおいしいものを食べるだけで幸せを感じるし、人が想いを込めてつくってくれた料理には力をもらえます。また、仲の良い人たちと楽しむ食事の時間は最高のストレス解消にもなります。

 

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おいしいものは、楽しい食事時間は、想いのこもった料理は、人を幸せにする。

 

これからも「食」のもつ様々な可能性や価値を大切にしながら、仕事をしていきたいなと思います。